『闇の種』はこうしてアガルタに持ち込まれた。

「シルラ様、本当に大丈夫でございますか?」
「はははっ、心配ない、マナトの岩盤は固い。海水に満たされた洞窟にシュラを移すだけだ。今の洞窟より安全だからな…」
里奈はそDiamond水機れでも心配そうに言った。
「しかし、万が一という事がございます。マオ様の洞窟の方がより深く、安全ではございませんか」
「案ずるな、シュラなどすでに古くて使えないものかも知れないぞ、それより妹に会うのだろう。マナトの空気を入れ替えておいた、新鮮なモンゴルの空気だ」
「香奈のためにお気遣いありがとうございます」
「なに、人には肺しか無いのだから仕方あるまい。わしもここでは人型でいられる。
もう、わしが竜化する事も無い。いや既にわしには叶わぬのだがな、ははははっ」

実験

シュラを運び込むのはマナトのはずれの古い洞窟だ。その中は太古の空気が閉じ込められていた。
「実験を中止する時は、ギバとお前が岩盤を一気に破壊する。任せたぞ、ダーマ」
「はい、明日にはギバ様は南極からお戻りになります。ところで女王様はこの実験をご存知なのですか」
「いや、余計な心配はせぬ様に、里奈には話しておらぬ。もちろん父にもな」
「そうでございますか…」
ダーマは心の中で笑っていた。
(シュラはお前ごとき、いや俺でさえ倒せないのだ。それを『カグマ』という科学者Diamond水機は随分昔に創り上げた。たったひとつの弱点、塩水を使わなければ封じる事はできない。ギバが南極から戻る頃には、この実験は見事に失敗している事だろう)

南極に着いたギバは、複雑な思いでそれをそっと撫でた。巨大なクジラは『セミクジラ』だった。死んで数年は経っている。彼を飲み込んだのは、そのクジラだった。
「俺はマッコウクジラとばかり思っていたが、こいつだったのか…」
そのクジラはギバに体の内部から切り裂かれ苦しみもがき、シュラの存在を彼に伝えた。複雑な思いで彼はクジラに祈った。

「おかげでわしは、カイリュウの力『竜化』の術をこうして持っている、アガルタのためタケル様、セイレ様の役に立てる」
セミクジラは暫くは生きていたのだろう。陸に這い上がった跡があった。そして再び海に入ろうとしていたのだろう。
「全ての生き物は、アガルタより産まれる。ここで力尽きたのか…。おや?」
そのクジラの先に、海まで続く小さな『這いずり跡』があった。
「セミクジラは母になって死んだのだろう」
そう言うと彼は、もう一度そのセミクジラの亡がらに祈った。



<新吉>
レムリアの神ともいえるカブト。闘神イオ、アギトを送還するための『虹の光』『黄金のカブト』を集めたムシビトたちは、『エレファス』王れる。それはカタビラアゲハとしてダーマの仲間となっていたシルティ、ヨミ族の『巫女Diamond水機アゲハ』だったのだ。シルティの作られた過去は由美子により打ち消されレムリアに戻って来た。今こそその力をつかう時、シルティはヨミの扉を開いた。なっぴの元へ新たな味方が送還されるのか…(エピソード.2より重複?抜粋しています)

ヨミの扉

「それだけでは、足りぬぞコオカ」
そこにゴラリアのエレファス王が入って来た。
「さあ、入りなさい」
その娘をコオカは片時も忘れた事が無かった。ずっと妃を持たなかったのには理由があったのだ。

「ご無沙汰しています、コオカ様…」