のいろてるの。

 これまた、全く意味不明のメールだ。

 佐優梨はくすっと笑って、ある仮説を出した。

「流行ってるんだよ。このチェーンメール」

「そう、なのかな」

 釈然としなかったが佐優梨の仮説は荒唐無稽ではなかった。

 不幸の手紙のような流行を誰かが作ろうとしている可能性は否定できない。

 また、それ以外の仮説を立てられないから、佐優梨の仮説の信憑性は高まったのだった。

「あ。高橋さんと伊藤さんじゃないの」

 私たちは不意び止められた。

 声は大人の女性の物だった。

 反対側の歩道で水色のミニスカのスーツを着た女性が手を振っていた。

 女性はばたばたとした足取りで道路を渡ってきた。

「えっと。誰ですか」

 私と佐優梨は顔を見合わせた。

「中学校の担任を忘れたの」